- 専門的な廃熱回収技術を、やわらかな円環のビジュアルと、やさしい語り口のコピーで表現しました。
専門的な技術を、親しみやすい表紙へ
コベルコ・コンプレッサ株式会社様より、専門誌『油空圧技術』2026年10月号の表紙デザインをご依頼いただきました。
『油空圧技術』は、日本工業出版様が発行する、油圧・空気圧をはじめとした産業を支える技術を紹介する専門誌です。
今回の表紙は、中面に掲載されるコベルコ・コンプレッサ様の廃熱回収技術の解説記事に合わせてデザイン制作しました。
ヒートポンプやコンプレッサを活用して、これまで捨てていた熱を回収し、再びエネルギーとして役立てることで、省エネルギーや脱炭素につなげる技術を紹介する記事です。
コベルコ・コンプレッサ様には、以前にも「廃熱回収」をテーマにしたポスターを弊社で制作させていただいた経緯があり、今回は「その世界観を引き継ぐことを基本にしつつ、デザインを自由に提案してほしい」「全体的に暖かみと丸みのあるテイストが良いと考えています」というご要望を伺っていました。
複数の方向性を検討
まずはご要望を出発点に、中面に掲載される記事の原稿を読み込み、以前のポスターをそのまま展開するのがベストか、雑誌という媒体に合わせて工夫できることはないか。内容との整合性を確かめつつ、表現の幅も広げながらデザインを検討し、4つの方向性をご提案しました。
※上記は提案時のデザイン案です。誌名まわりの情報やコピー、細部の表現は、完成版と異なります。
ポスターの世界観を継承するA案を基本に据え、B案ではコピーや製品の配置を見直し、表紙としてのインパクトを高めました。
さらに、記事の内容を表紙としてより伝わる形で見せられないかと考え、技術を別の切り口から表現したC案・D案もプラスでご提案しました。
C案では、工場背景や球体を用いて、技術の先進性や信頼感を表現。D案では、廃熱を回収して再び役立てるという記事のテーマに焦点を当て、熱の循環をやわらかな円環で描きました。
こうして異なる方向から表紙の可能性を探りながら案をまとめ、それぞれの狙いをお伝えして比較・ご検討いただいた結果、お選びいただいたのがD案の「熱循環イメージ案」です。
「捨てる熱から、めぐる熱へ。」
このD案をもとに、細部を調整し、表紙を仕上げました。
暖かなオレンジから、涼やかなブルー、穏やかなグリーンへ。色と形がゆるやかにつながる輪の中に製品を配置し、廃熱が再び活用されるイメージを表現しました。
中央に添えたコピーは、「捨てる熱から、めぐる熱へ。」
専門的な仕組みを細かく説明する前に、廃熱回収によって何が変わるのかを短い言葉で伝えています。やわらかな曲線で暖かみを持たせながら、余白の取り方にも配慮しました。雑誌をぱっと見たときにクリーンで上質な印象が伝わり、円環のビジュアルとコピーが印象的に目に入るよう、情報の量と配置を整えています。
誌面内の図版とモノクロ広告も制作
今回の号では、表紙に加えて、雑誌内に掲載のモノクロ広告と、掲載記事内で使用する図版のデザインの制作も併せて担当させていただきました。
モノクロ広告では、電気代やCO₂対策へのお悩みを入り口に、省エネ診断をご案内する構成とし、図版では、製品の組み合わせや熱の流れを図で整理しています。
実物になって届いた、お客様の声
刊行後には、ご担当者様が完成見本を郵送してくださり、画面上で制作していたデザインを、実際の印刷物として手に取ることができました。
ご担当者様からは、やさしくクリーンな印象で、とても良い仕上がりになったと、ご満足の声をいただきました。また、実物をご覧になって、画面で見る以上にクリーンで、どこか可愛らしさも感じられたとのお声も。目指していた表情が、印刷物としても伝わったことをうれしく感じています。
安心と納得につながる、デザインの提案を
アドラクションでは、お客様のご要望を出発点に、目的や媒体に合った最適な表現を考えます。
今回も、ポスターから雑誌の表紙へと媒体が変わることを踏まえ、記事の内容との整合性や、見せ方に工夫できる点がないかを確かめながら、複数の方向性をご提案しました。
ご依頼の意図を汲み取り、より良い伝え方や見落としがないかまで検討すること。
そして、それぞれの案の狙いや違いをお伝えし、納得して選んでいただくこと。
こうした確認と提案を重ね、お客様が安心して任せられると感じられる制作を大切にしています。









