- オーロラとサーモグラフィによる表現ギミックを、ストックフォトを組み合わせたレタッチで制作。
全国のバス亭でブランドをアプローチ。
ジャパン・シックスシート・アワード 2018というアワードに、広告代理店の方とタッグを組んで参戦し、受賞。弊社はアートディレクション・レタッチ・デザインを担当。
ミズノ様の『ブレスサーモを試したことの無い方が、冬の肌寒い街中でブレスサーモの広告を目にして、一度試してみたいと思える作品』という課題に対し、オーロラとサーモグラフィによるギミックで商品特性を表現した広告で、アワードの受賞をきっかけに実際に全国主要都市のバス停に掲出されたシックスシートフォーマットという大型広告。
傾向と対策。
アートディレクションするにあたり、まずは過去の受賞作品のビジュアルの傾向をひたすらチェック。過去の受賞作品から、審査の傾向を探り、その結果ひとつの共通点を導き出しました。
それは媒体の特性として、ビジュアルが景観を損ねないこと。逆に言うと、景観の中でかっこよく、美しく機能するものは評価されているという分析をし、それを強く意識してビジュアルを考えていきました。
絵を作るにおいて考えたこと。
チームから“オーロラとサーモグラフィによるギミックで商品特性を表現したい”というアイデアが出て、その方向で進めていく中、そこをおさえながらビジュアルを作っていくことを強く意識しました。
アイデアを最適なビジュアルにするにあたりまずは構図を考えました。シックスシートという特性上、こまごまとしたレイアウトはまずありえないので、シンプルさとインパクトを最大限に出す方向で考えました。
そして、まず広告で“美しさ”を前面にうち出すために、オーロラを画面全体に使い、サーモグラフィ(人物)は極力小さくすることで、大きな対比を作ろうと決定しました。そして素材は、撮影が現実的でないアイデアであったため、ストックフォト(今回はadobe stock)を使用して成立させようと考えました。
画像のチョイス。
チョイスする際は、実際のサイズで想像してみて、オーロラであることがはっきりと分かりやすく、色味がなるべくカラフルなものをチョイス。同じオーロラでもいくつもの種類がある中、厳選したオーロラがこれ。
そして人物は、そこに合成しやすい(なじませやすいもの)という視点でチョイス。この2枚を使用してレタッチを進めていきました。
いざレタッチ。
この時気をつけないといけないのが、アワードにおいてはストックフォトよりきちんと自前で準備した写真の方が基本的に評価されるということ。ただし、そこをクリアするポイントとして、ストックフォトを感じさせないようにしっかりとしたレタッチで別の絵に仕上げ、その点を考えさせないクオリティにすることであまり関係なくさせられるかな、と自分では思います。
オーロラの光の配置のバランスや、人物のサーモグラフィ処理、二枚の画像の合成。この三点に特に注意を払ってレタッチを完成させました。
掲出されたのはちょうどクリスマスシーズンからで、実物を見に行った時は、とても嬉しかったです。また機会があれば挑戦してみたいアワードです。