WORKS
制作事例

千早赤阪村観光協会様

大阪府千早赤阪村のガイドマップを企画・デザインしました。

大阪府で唯一の村である“千早赤阪村”の観光ガイドマップ。

<サイズ/ページ数>
A4/8P(両観音開き)

<制作コンセプト>
新規観光客の獲得・リピーターの増加による村の活性化。


村を散策するところからスタート

 このガイドマップは、千早赤阪村観光協会のみなさまとプロジェクトチームを組み、企画段階から10ヶ月以上ものあいだ何度も打ち合わせを重ねつつ、じっくりとデザインを作成させていただきました。

 ちなみに千早赤阪村は、作者であるわたしの故郷でもあります。30年以上もこの村で生まれ育ったため、村の空気やアピールポイントは自然と分かるのでその肌感は生かしながらも、“外から見たときにどういうところが魅力に映るか”ということは客観的に見直し、制作を進めたいと考えました。

 まず、はじめの企画会議の後日。プロジェクトメンバーの中から“村出身者ではないけど村のことがやたら好きなスタッフ”たちにご協力いただき、村を散策するところから制作をスタートさせました。
 あえてそういうメンバーを選んだのは、村に対する客観的目線を大切にしたかったからです。制作コンセプトに“新規観光客の獲得効果を生むこと”を掲げていたのですが、それの達成にはこの目線からの意見がポイントになると考えていました。

村の魅力を再発見

 案の定、村をあらためて散策してみると自分が知らない間にいろんなお店がたくさんできていたり、村の魅力を逆にスタッフに教えてもらうようなカタチになり(34年も住んでいたのに(゚o゚;;)つつ、新鮮な感覚で村を一周。

 主要な名所はもちろん、知る人ぞ知る隠れ家的名所まで慎重に巡っていきましたが、仕事であるとはいえ、心から楽しい村めぐりでした。(長年登っていなかった千早赤阪村最大の名所“金剛山”にも登りましたが、年を取ってからする登山は、ある意味最高でした。)とにかくこのコラムを読んでくださっている方で、興味を持っていただいた方、本当に楽しめ癒される村ですので次の休日にさっそく行ってください(笑)。ファミリーでもカップルでも一人でも楽しめます!

 そんなわけで、ご紹介したいスポットが盛りだくさんなわけですが、コストの都合上ページ数は8ページ。掲載できる内容は限られます。慎重に精査した結果、このガイドマップには村の選りすぐりの観光地を掲載しています。


デザインコンセプトを決める

 掲載内容をある程度絞れてきたところで、それをいかに魅力的かつリアルに伝えることができるか?
デザインコンセプトを考えるため、参考になりそうなデザイン書籍を書店で探したり、各地のガイドマップをWEB検索し、実際に自分たちが気になるものをたくさん取り寄せました。その中の一部がこちら。

 資料を集めていて気づいたことは、どこのガイドマップも“コンセプチュアル”であるということ。というのは、それぞれのタイトルに注目してみると、“みしらんガイドブック”、“南国時間”、“しなのまち どんなまち?”、“あいたい兵庫”など、コンセプトを集約したであろうオリジナルの名前を付けているのが分かります。プロがコンセプトを立てて進めたんだろうなっていうのが伝わってきます。

 そこで、みんなで千早赤阪村の場合はどんなタイトルのガイドマップが良いか?と議論をしました。そしていろいろ話し合った結果、多く出た意見。それは「なんかタイトル付けたらややこしない?ガイドマップってすぐに分からん。」

 う〜ん、確かにそれは一理あるかも…。と思いました。どれもしっかりとしたプロが作られている感があり、全体にコンセプトがあってそこから生まれたタイトルになっている。どれも構造がとても良くできている。…しかし、この飾り気のない千早赤阪村の雰囲気を出す場合においては、そういった“コンセプチュアルな雰囲気を出さない”ほうが良いのではないかと考えました。

 そんなこんなで、タイトルは“千早赤阪村ガイドマップ”に満場一致で決定。そのまんまなのが、ある意味千早赤阪村を表していて、ステキなタイトルでしょう。(笑)

 そして必然的に、デザインコンセプトもそんな“飾り気のない、村の空気感を大切に封じ込めたガイドマップ”に決定。


村の雰囲気を表現するため、地図のテイストを古地図風に。

 デザインコンセプトが決定したので、その流れからデザインのテイストを考えました。千早赤阪村は楠木正成という人気武将の生誕の地であり、歴史を感じさせる城跡が数多くあったり、棚田や金剛山など、美しい自然に囲まれているのもアピールポイント。そんな重厚な歴史感と自然のイメージをかもし出すこと。“自然”や“歴史”といったワードを売りに集客している地域が山ほどある中、よそとは違った個性を出したい。

 そう考えていた矢先、プロジェクトメンバーの一人が千早赤阪村の郷土資料館に眠っていたという古地図を入手して来てくれました。


 見てみると、その古地図からは、なんとも言えない重厚感や凄みをかもし出していました。先人の偉大さを感じさせる細かいタッチと表現力。デジタルだけでは表現が難しいこのテイストこそ、千早赤阪村を表現するのにぴったりだと直感しました。
(ちなみにこの古地図は、資料館が村の方からお借りして展示させていただいているもので、旧石川郡図というもの。江戸時代以前から伝承されてきたもので、これは江戸時代にそれを書き写したという、すごい古地図です。※千早赤阪楠公史跡保存会調べ)

そしてこのテイストを継承させていただくカタチで地図ページを作成。まさに過去の先人とのコラボです!(大げさ!?)

 そしてこのテイストに雰囲気を併せるカタチでイントロページや表紙も作成。

 結果、千早赤阪村の空気感をうまく醸し出すことに成功したガイドマップを完成することができました。あとは、このガイドマップをとおして多くの新規観光客のみなさまが村に訪れて、ゆっくり楽しんでいただけることを願うばかりです。

 ※このガイドマップは、2019年秋頃から配布していく予定です。詳しくは、千早赤阪村までお問い合わせください。