- ご本人の技術を体感した上で、そこから感じたインスピレーションでデザインを制作。
大阪の美容室ブリエの名刺をデザインさせていただきました。
こちらのお店はご自宅の一角をリノベーションして作った完全予約制のお店で、スタイリストでオーナーの女性がお一人で経営されています。
名刺のデザイン進行の際、着手する前にヒアリングもかねて、実際に自分のカットをお願いしました。この案件に限らずですが、例えば会社を紹介するパンフレットやWEBのデザインをさせていただく前には会社見学を、飲食店のメニュー表のデザインをさせていただく前には一度お店で食事させていただくなど、弊社では案件の内容を深く知るために可能であればサービスを体験させていただくことにしています。(業種の内容によってはできないこともありますが。)
オーナー様は柔らかく穏やかなイメージを持った方なのですが、実際にカットしていただくととても手際がよく、スピード感のあるダイナミックなカットで良い意味でのギャップを感じました。(仕上がりも希望通り!)
さて、そうして感じたイメージをどう名刺のデザインで表現したかということですが、まず表面に関して。
まず文字の組み方(文字組)において、お名前や肩書きを縦書きとし、お店のロゴや情報は横書きに。そしてそれを斜めに分断するラインを加えることで、全体的に縦・横・斜めという流れを作り、躍動感のあるデザインにしています。
ちなみにこういった動きのあるデザインはレイアウトのバランスが難しく、気をつけて調整しないとまとまりのない印象になってしまいます。
ダイナミックなレイアウトにしたいところですが、ビジネスで使用する名刺というものの性質上、信頼性を出すためにかっちりとした印象は必ずおさえておかなくてはいけません。
そこでレイアウトには遊びを持たせた動きをつけながらも、バランス的には“揃えるところは揃える”というテクニックを使用。
パソコンで文字を入力すると使用する書体にもよりますが、よく見ると文字間(文字どおしのスペース)がバラバラの広さになります。全ての文字要素においてそれを1文字ずつ等間隔(および心地よい広さ)に調整したり(図のa参照)名刺を構成する各パーツの外側の余白を均一にする(図のb・c・d参照)ことでかっちりとした印象を確立させています。
ちなみに、裏面のデザインに関してはお店の外観のカラーリングとマッチさせています。これによって店とツールのイメージを統一させ、整合性の取れたブランディングを確立しています。
さらに、そうしたデザインを印刷する用紙の種類にもこだわりをプラス。美容室ということで柔らかいイメージも出したいと考え、ヴァンヌーヴォという用紙をセレクト。
こうして、柔らかい印象でありながらアクティブなカットでスタイリッシュな髪型にしあげてくれるというオーナー様の特徴を凝縮した名刺に仕上げました。
ブランディングをしっかり考え、本当の意味で持つ方のイメージを表現する名刺。アドラクションといっしょにあなたも作ってみませんか?